先日のお稽古のこと。
私の最初のお弟子さん。
彼女~Aさんは都内から車で一時間ちょっとかけてきてくださいます。
香道はもとより、作法に関することなどが初めて♪ということの多いのAさん。
「先日手に入れたんです!」と言われたものはどうやら小さめの茶道のお扇子。
それも源氏香図が書かれたもののようです。
写真の右側のものかな?
香道ではどういうときにお扇子を使うのでしょうか?
これは風を仰ぐお扇子とはちがい、小さめの15~18センチくらいのお扇子の話です。
大事なことを伝え忘れていたので、そのことも書いておきます。
基本的にお扇子の用途は二つ。
一つ目はご挨拶するときに使うもの。つまり、
目上の方やお道具に対して、
自分がへりくだるときに線を引く(結界/境界)もの
という意味があります。
茶道では一番初めにこのお扇子と袱紗を求めるようですね。
正座してご挨拶するときに、柄の部分が右になるように膝前に置き、お扇子と膝との間に手をついてご挨拶をします。
例えば贈答品を持参したり、正式なご挨拶をするときにこのようにご挨拶すると、
「あら、たしなみがあるのね~」と思われたりしちゃいます。
こういった扇子の使い方は、茶道ではかなり頻繁にお扇子を用いてご挨拶しますが、もともとは日本に古くからあるたしなみと思われているようです。
そしてもう一つ。
お金を渡す時に使うもの
御祝儀、お中元御歳暮などの御礼、月謝などを渡す時などですね。
手元側が相手に向くようにお扇子を広げ、その上に包みを乗せてお渡しします。
もともと金銭はお盆に乗せたり(会計時のトレーもそうですね)、
袱紗に包んだりしてお渡しするもので、扇子はお盆と同じ意味があります。
畳に直接金銭の入った包みを置いてご挨拶するのは
地に直接置くのと同じように失礼だからお扇子を使うのよ、と私は教わりました。
手から手に直接渡すという行為は禁止
が前提なのですね~。
この二つを心得たときに、香道ではそれ以外はどうしているかといいますと、
普段は使いません!
ただ、公式の大会の時などに帯に差している師範はお見受けします。
もしかしたらお茶を嗜んでいる師範かもしれませんが、
帯に飾りのように一本スッと入っているのは・・気持ちが引き締まるようで素敵です!
そしてもう一つ。
香道直心流では伏籠手前の時に、実は大きなお扇子のほうを使います!
写真左下のように舞踏用の扇子の上に短冊を置いて、
伏籠のお手前は締めになります。
ご自分の嗜んでいる世界ではどうやってお扇子を使っているでしょうか?
あらためてその意味を問い、
その正しい使い方を次の世代に繋げていくことをしていきたいと、
私はそう思います。
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