海外からオンライン稽古をされている弟子の方が来日していました。
日本を離れた場所で暮らしながら、
それでもなお、香道という文化に触れ続けたいと願うこと。
決して簡単なことではないはずです。
それでも、その方はとても努力家で、ひとつひとつを丁寧に受け取りながら、真摯に向き合ってくださっています。
それが銀座教室での稽古でも伝わりました。
他のお弟子さん方から当然ながら少し遅れてしまうお手前ですが、私の指導も意味を受け止めた後に直していけるほど、その意識は高いように思いました。
炭団を入れた香炉の熱さを直に体感し、
お道具と自分の体との間隔の取り方、
優雅な雰囲気をお伝えするための間の取り方、
オンライン稽古でももちろんお伝えはしていますが、そのリアルな体感は何物にも代えがたいものなのだと、彼女の意識から感じ取れたのは嬉しいことでした。
そして皆で聞く香り。
香りは、形に残るものではありません。
けれどだからこそ、
人から人へと、稽古を通じて手渡されていくものなのだと思います。
遠く離れた場所にあっても、
この文化を途切れさせたくないという想い。
その静かな熱意に触れるたびに、
私自身もまた、背筋を正される思いがいたします。
また松戸でのお稽古も、少しずつ整ってまいりました。
数名で落ち着いて向き合える時間が増え、それぞれの歩みに寄り添える余白もやっと生まれてきています。
入門されたばかりの方がいらっしゃると、どうしてもその方に心を配る時間が多くなります。
それもまた大切なことではありますが、
全体を見渡しながら整えていくことの大切さも、あらためて感じているところです。
文化は、
人の中にそっと根づいていくもの。
それが自然と広がり伝えられていくもの。
そう感じるようになりました。

それぞれの歩みに寄り添いながら、香道という世界で繋がったご縁。
静かに積み重ねていきたいと願います。
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