香道での立礼(りゅうれい)。
立礼席とは椅子に座って楽しむお席のことです。
昨今は、茶道のほうでも多くなってきました。
やはり、膝や腰に負担がかかる正座席はご無理な年齢やお怪我がある生徒さんやお客様が、
多くなってきたということなのでしょうか。
また、若い年代の方には自宅に和室がないというご家庭もあるようですから、
もしかしたらこの先、正座したことない方もいらっしゃるようになるかもしれませんね。
新松戸のお教室では、
正座でのお稽古をする生徒さんと、
立礼でお稽古する生徒さんがいます。
正座での席入り・お床拝見・足運び・お盆などの置く場所などのお稽古は、
立礼でお稽古する生徒さんには割愛または変更して対応しています。
できるだけ説明したり、実演を見てもらったりしていますが、
体得できるかはちょっと不安です。。。
現在はどこの教室でも立礼を対応するようになってきましたので、
この立礼のお稽古があることが当たり前のことになるのも、遠い日ではなさそうです。
香道直心流の立礼で使用するものがあります。
それは、流派の袱紗です。
からし色に家紋が入っているものです。
香席の場合は、香炉のお手前を終え「総礼」(挨拶)の後に懐から取り出して指定の場所に置きます。
立礼では畳ではなくテーブルに香炉を置いて次の方に回すため、
4つに折りたたんで約15センチ四方になった袱紗の上に香炉を置くのです。
また、袱紗とは別にお客様同士の間にも香炉敷というものを置き、
テーブルに直接香炉を置かないように気を付けます。
立礼の香席では文台(香元のお手伝いをする役目)の作業も減ります。
色紙・名乗り紙&ペン・香銘を乗せたそれぞれのお盆を、
お正客にお渡しする作業が割愛されることもあります。
正座でのお稽古からすると、
70%くらい割愛されているような気になってしまいます。
それでも、続けていくことが何より大切なのでしょう。
伝統芸道は昔からあるものですが、
時節によって変化する文化でもあると思うのです。
より良い方向に、
体が苦しくなく、
広く楽しめるように。。。
優しい心配りを良しとする世界なのかもしれませんね。
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