香木って何? 〜自然からの贈りもの「沈香」「白檀」を知る〜
「香木(こうぼく)」という言葉を、聞いたことはありますか?
お香に使われる材料の中でも、特に高貴で、奥深い香りを持つのがこの香木。
自然の木が長い時間をかけて変化し、まるで奇跡のように生まれた香りの宝物です。
沈香(じんこう)とは?
沈香は、熱帯の樹木が傷ついたとき、その傷を修復するために樹脂をためこみ、何十年、時には百年以上かけて生まれます。
その樹脂が固まり、長い時を経て香りを持つようになった部分が「沈香」と呼ばれるのです。
香りは一言では言い表せません。
ほのかに甘く、深く、時に苦みや渋みも感じる複雑さがあります。
火を入れて初めて立ちのぼる香気は、「香りを聞く」と表現されるほど、心に響くものがあります。
白檀(びゃくだん)とは?
白檀はインドやインドネシアなどに自生する樹木で、木そのものに香りがあります。
沈香よりも明るく、やさしく、どこか甘みを感じさせる香りが特徴です。
沈香よりも身近に使われることが多く、匂袋・線香にもよく使われています。
「お香」と聞いて、多くの人が思い浮かべる香りは、この白檀かもしれません。
香木の香りを体験する
自然がつくり出した香りの宝石、香木。
もし機会があれば、ぜひ一度その香りを「聞いて」みてください。
香道では、香木にそっと熱を加え、その香りを静かに楽しみます。
煙は立てず、ゆっくりと立ちのぼる香りを「聞く」ことで、自分自身の感覚と向き合う時間が生まれます。
目を閉じて香りに集中すると、日々の慌ただしさがふっと遠のき、心がととのっていくのを感じるでしょう。
香りは、ことばよりも深く、やさしく心に語りかけてくれる――そんなひとときです。
もし、「香木の香りを聞いてみたい」と思われた方は、ぜひ一度、私の香席へお越しください。
5月より、大丸東京店 10階のOtonami Lounge Tokyoにて、季節ごとに香席を開催しております。
香道が初めての方でも、香木の香りに親しんでいただける内容となっており、香りを通して心を整えるひとときをお楽しみいただけます。
開催日やご予約方法については、こちらからご覧ください。
季節の香席から学ぶ香道のいろは【単発】Otonami Lounge Tokyoにて
日々の暮らしの中に、静かで豊かな香りの時間を――ご一緒できるのを楽しみにしております。

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